
ヨーロッパの一大イベント、サッカーのヨーロッパ選手権がいよいよ開幕。
今回は、オーストリアとスイスの2国同時開催です。
ドイツもお隣の開催国に負けず盛り上がっております。
チャンピオンズリーグとかUEFAカップとかのヨーロッパにあるサッカーチーム上位の戦いとは違い、4年に一度の国同士の戦いだから、欧州、特に予選を勝ち抜いた参加国はそれなりにどこも盛り上がってることでしょう。
しかし、今回はイングランドが予選落ちっていうのは、ちょっとびっくり。英国でもへこみから立ち直って、盛り上がっているんだろうか・・・。
まぁそれはさておき。
国同士の戦いとは言うけれど、ふたを開けてみれば、選手は結構インターナショナルだったりします。(もちろんプレーする国の国籍はもっているということですが。)2年前のワールドカップでも思ったけど、ヨーロッパはそれがすごく顕著に見られる気がする。
国と民族はもうイコールではなくなりつつあるし、世の中はそういう風に流れていっているのだな~。
でも、その一方で、果たして人々の感覚がその流れに追いついていっているのか。それは大いに疑問なところ。
例えば、ドイツのナショナルチームのスタメン11人の中には、もともとポーランド出身の二人がいる。それがドイツには欠かせない重要な2選手、ポルディー(ポドルフスキー)とクローゼ。
今回、ドイツは、EUカップ一回戦でポーランドと当たり、そこで、ポルディーは2ゴール決め、ドイツを勝利に導いた。ポルディーにとっては、ポーランドは、親戚・家族がいるもう一つの祖国なので(彼はポーランド国籍も持っている)、自分のゴールで勝ち取ったドイツの勝利は、ただ嬉しいという訳にはいかず、どこか複雑なものだった。
その証拠にゴールを決めた後のポルディーは、喜びで駆け寄る仲間を制する感じで、ポーランドにも敬意を払っていた。
それに対して、持ち上がったのは、ポーランドの保守的な政治家が放った、ポーランドの二重国籍を廃止してポルディーのような裏切り者をポーランド人とは認めなくしようといったような発言。
おいおいおい。妙な国家・国民意識でポルディーを裏切り者呼ばわりするのはやめてほしい。
こんな国家主義者の感情任せな時代遅れの発言は、鼻で笑い飛ばしてやってもいいが、残念なことに、しばしばこれが移民の人々の辛い現実の一つとなっている。
とかくグローバル化の波に対応できない国家や国民によって、移民の立場が危ぶまれることは少なくない。
今後欧州選手権では、ドイツ・ポーランド戦のように、こういう試合がまだ出てくるはず。
トルコ・スイス戦でも、スイスチームには、トルコ出身選手がおり、スイスは負けてしまったものの、彼はトルコ相手にゴールを決めたりした。
そんな場面で、移民の選手が後ろめたさを感じなければいけない風潮があるとすれば、それはやはり国家の枠組みにとらわれた人々の意識がまだまだ強く根強くあるゆえでは?
選手自身が、複雑な感情を抑え、出身国である対戦国に敬意を払いつつ全力を尽くしているというのに、それを責める権利は誰にもない。
そもそも、出身国であるかないかに関わらず、選手はどんな対戦国に対しても敬意を払って全力を尽くしてこそ、その真価が認められるのだと思う。
チームのメンバーに世相が見えるサッカー欧州選手権。
観戦する人々も、スポーツマンシップに則って、国家の枠組みを超えたフェアプレーで、ゲームを楽しんで欲しいものです。
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